効果的な電子マニュアルを制作するには

取扱説明書には、印刷物、PDF、電子マニュアル(HTML、Web、組込)、動画アニメーション、映像マニュアル、音声マニュアルなどさまざまなものがあり、形として仕上げるにはそれぞれの最新技術に精通していることが必要なのはもちろんですが、まずは、「どの形態で制作するべきか」を見極める分析力が、大切です。

電子マニュアルのメリットとは

紙マニュアルでは、ページ数が増えるごとに用紙、インク、製版のコストがかかり、梱包や運搬費にまで影響することもありますが、電子マニュアルでは、ページ数に比例してコストが増えることはほとんどありません。(※制作費は、紙マニュアルでも電子マニュアルでも、ページ数に比例して必要です。)

2000年頃までの電子マニュアルはCDで配布されることも多かったですが、インターネット回線の発達によりWeb上に公開されることが多くなりました。プレスのコストがかからず、在庫の無駄も出ません。手軽に更新できるので、常に最新情報を提供できます。

スマホやタブレットの普及と性能の向上により、電子マニュアルの利用シーンは爆発的に広がりました。動画アニメーション、映像、音声を組み込めば、小さなお子さん、活字が苦手な人や目が不自由な方、外国人など、対象ユーザーの幅は無限に広がります。

今の主流は、HTMLマニュアル

最もポピュラーな電子マニュアルは、HTMLマニュアルでしょう。

インターネットで検索してネット情報として読んだり、DVDなどで提供されてパソコンで見たりするものです。現代の日本に住んでいて「そんなの見たことが無い」という人はかなり少ないと思います。

検索が容易であることが最大の特長です。マニュアルの中のどこに欲しい情報があるかを検索できるだけでなく、インターネット上に公開されている場合は、製品名、機種名、メーカー名などを入力すれば、マニュアル自体を探し出すことができます。「どこに入れたっけ?」と悩む必要はありません。

動画アニメーション、映像マニュアルが効果的なシーン

講習や教材などで利用されることが多いのが、動画アニメーションや映像を使ったマニュアルです。能動的に読まなければならない紙マニュアルや電子マニュアルに比べて、確実に情報伝達ができるのが特長です。

講師による質のバラつきが無いこと、受講に関する時間的な制約や人数に関する制約が無いことも、メリットでしょう。

音声マニュアルが効果的なシーン

音声マニュアルが単独で利用されるシーンはあまり多くありませんが、機器の設定が成功した時に鳴る効果音や異常時に発せられる警告音などを電子マニュアルに組み込めば、「疑似体験」をすることができますし、ナレーションを組み込めば、文字を読む手間を省くことができます。

目からの情報と耳からの情報という挟み撃ちは、より確実な理解を助けます。

また、視力に障害がある方、小さなお子さん、外国人の方など、識字に関する障壁を持つユーザーへの情報伝達も可能にします。

制作の流れ

  • ご要望の確認・取材
  • ①ご要望の確認・取材

    まずはじめに、ご予算、ご希望、日程、翻訳展開の有無などをうかがいます。

    紙マニュアルからの切り替えをご希望の場合は、元データをご提供ください。「印刷物はあるがデータが無い」という場合も、ぜひご相談ください。

    製品の仕様書をご提供いただいたのち、制作に必要な情報について、詳しく取材させていただきます。

  • 企画・ご提案
  • ②企画・ご提案

    取材内容をもとに「誰に伝えるか」「何を伝えるか」を明確にし、各工程の専門スタッフがアイデアを持ち寄って、「どのように伝えるか」を検討します。

    経験豊富なディレクターを中心に企画を練り上げて、お客様の製品やサービスに合った形態、ご要望を叶える手法を、確実なスケジュールとともにご提案します。「HTMLマニュアルに、読み上げ機能を組み込む」「動画マニュアルだけでなく、補助教材となる冊子マニュアルを制作する」など、目的に応じて、多角的な企画をご用意いたします。

  • 制作
  • ③制作

    「伝える」「魅せる」にこだわって、手法、構成、音声や動画の組込みや他媒体との組合せを調整しながら、各部門が連携して制作を進めます。

    • ライティング・シナリオ制作

      「誰に何を伝えるか」を常に意識しながら、用語を選定します。あいまいな表現を避け、説得力のある言葉で正確に伝えます。情報を整理し、音声にする文章と読んでもらう文章を適切に書き分けます。
      音声付き動画マニュアルを作成する場合は、「絵コンテ」を作成します。画像の動きや文章を読み上げる時間を踏まえてコマ割りします。字幕を入れる場合は、表示時間と文章量の調整も行います。

    • デザイン(レイアウト、イラスト作成)

      読みやすさと分かりやすさの肝となるだけでなく、製品のブランディングにも関わる重要な工程です。製品のイメージやターゲットユーザーを明確にしながらデザインします。
      また、誰もがストレスなく操作できるように、人間工学に基づいた最適なデザインを施します。

    • データ構築

      メンテナンス性に優れたデータを構築します。あらゆる環境で正しい表示・再生を実現することも必須要件です。

    • 録音・撮影

      プロのナレーターが文章を読み上げるケースから、自動読み上げソフトを使った音声ファイルの作成まで、コストや目的に合った最適な形で提供します。

    • 校正・校閲

      テキストやレイアウトについては、熟練した専属スタッフがプロの目で精査します。最新の校正支援ツールを使ってクロスチェックも行います。幅広いユーザーを想定した動作確認も実施します。

  • お客様によるご確認
  • ④お客様によるご確認

    お客様ご自身の厳しい目でチェックをお願いいたします。

    ご要望やご指摘に沿って、よりよい方法を探りながら仕上げていきます。仕様変更にも柔軟に対応いたします。

    多言語展開をする場合は、この工程を確実に完了してから着手することによって、無駄な手間とコストを省きます。

  • 納品
  • ⑤納品

    ご希望の納品形態(PDF、Web への公開、DVD-ROM など)に対応いたします。海外への納品も可能です。

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